New OSK 日本歌劇団
第1部：遙かなる空の果て （脚本：akihito、演出：芹まちか、作曲・編曲：北野隆）
第2部：Heat Summer Revue SUNRISE （振り付け 第1〜6景：奥山加津子、第7〜13景：中野栄里
観劇日 2005年8月14日 12:00、16:00開演 アピオ大阪（森ノ宮ピロティホール）
話の起承転結はあるし、役回りも出来るだけ多くの団員に台詞や見せ場を作っており、New
OSKとしては渾身の一作…なのは判るがいかんせん脇が甘いんでツッコミはじめると止めらんない。ついでに言うと、（正直に言うと、一カ所でだれたが）しっかり観ようとするから余計にツッコミポイントが見えてくる。
というわけで今回はツッコミを他感想から隔離してお送りいたします。
芝居中のツッコミ編
・オープニング：違う。持っている銃が違う。下手したらこの時代には開発されていないかも知れない型の銃持ってる気がする。銃口の形状のなんか違う気がする。ついでにあの時代に作られたとするには木製のパーツが少なすぎる…ていうか皆無。あの時代で木製パーツが無いってことは、あのサイズの鉄の塊ブンまわしてるこになりまっせ。
調べたところ、この時代のギャング御用達機関銃はトミーガンことトンプソン短機関銃。舞台で使われていた銃は弾倉が湾曲しているように見えたが、トミーガンが湾曲した弾倉を装着した画像は発見できなかった。さらに調べていると、あれは軽機関銃ではなく、弾倉のサイズから考えてアサルトライフルの可能性も。一度気になると銃種が確認できるまで気になって仕方ないので早期DVD発売を希望。
・春先か秋っぽい装いの人混みの中で、あからさまに暑苦しいロングコートの二人の男が…。あ、怪しすぎる…。おまけに二人が接触して離れた直後に一人がひっくりかえってご臨終だし。本当に目撃者はおらんかったんか。ついでに幹部級がガードの一人も連れずに歩くってどうよ。（いや、これは単純に男役の数が足りなかったのかもしれんな…。）
・対マフィア刑事の癖に翌日の新聞を読むまで、自分がピンポイントで追っかけていたファミリーの幹部が死んだことを知らなかったロイ。ニューヨークからシカゴに前日に着いたばかりで初出勤もまだならともかく、相方もついているのになぜ知らない。だいたい、「昨日までピンピンしてたのに。刑事のボクが言うんだから間違いない。」じゃない。言うんだったら「暗殺だ、間違いない。」だろうに。
相方刑事のジェシカの視線が心なしか冷たかったのは、赴任早々にロイがボケ倒したからかもしれんな。
・ロイよ、対ギャングの刑事なら殺し屋と聞いただけでぶるってんじゃねぇ。だから相方の視線が冷たいんだ。
・ロイの警察官を目指した動機語り歌、思いっきり説明調。
・チャイナタウンの情報屋妹曰く
「ギャングに賄賂をもらった警視総監によって、ロイという刑事がニューヨークからシカゴへ移動になった。」
しかし、その後の警視総監にレオナード（ギャングのボス）が語ったところによると
「五月蠅い奴が追いかけてきた。」
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で、結局、誰がロイを呼び寄せたんですか。
それにロイが鬱陶しいので消すんだったらわざわざシカゴで消さなくても、ニューヨークに殺し屋差し向けて消した方が手っ取り早いし安全だろう。
・幹部が殺されたんだから、もっと緊迫感持とうよ、レオナール一家。私怨で殺られた以外にも、新興勢力とか他の縄張りからの侵攻とか可能性あるんだから。
・ところで警視総監ってシカゴ市警のComissionerのことだよね？バットマンに出てくるゴードンさんと同じ地位
の。まさか日本の警視総監と同じとか考えてないよね？
・幹部の一人（ルチアーノ）がチャイナタウンに出入りしていたのが判っても、なんでもう一人出入りしている幹部（ジェイク）がいるのが判らんのだ？
・ジェイクのチャイナタウンの情報屋兄妹への情報代の支払いが小切手。…それ、金の動きの記録を後に残してしまうんで、後ろめたい取引で使うと後々問題起こりません？ついでに小切手は不渡りとかの可能性もあるし。危ないブツの取引は確実な現金支払いが基本じゃないか？
・小柄って日本の武器名のような気がする。中国人の投げる武器なら飛刀か飛ヒョウ［金票］が妥当かと。
それでは判らない人が出るっていうなら投げナイフでいいじゃん。
・「レオナールにたどり着くまで」ってジェイク、あんたもうレオナール一家の幹部じゃん。いつでも殺せる状態じゃん。なんか決定的証拠が出るまで待ってたのか？（結局劇中じゃ情報屋兄の意味深耳打ち以外、ジェイクが敵討ちを始めるきっかけが全くないんだよな。）
・回想でジェイクママが友達と1日中遊び倒してから帰ってきたジェイクに、父親と姉が殺されたと告げる場面
。普通、朝に父親と姉が殺されていたら、友達と遊びに行ってしまった弟を半狂乱で探してるだろーに。ついでに父親のクロゼット開けたらドカンって、わざわざ家に忍び込んでクロゼットに爆弾しかけるとは暇な殺し屋もいたもんだ。父親本人が開けるかどうかもわからんし。どうせ家族皆殺し狙うなら、玄関で十分じゃないか？
・てゆーか、ロイ、おまえレオナール一家を捜査しているんだったら、ジェイクが一家の幹部になっていることくらい知っておけよ。そっからジェイクのやろうとしていることぐらい察しろよ。おまえ、一応は（以下略）。
・で、中華街に調査に来たかと思ったら、幼馴染みと観光ですか、ロイ。自分の追っていたレオナール一家の幹部が死んだ一件はどうなった。
・女刑事はどこ行った？
・情報屋妹、わざわざロイとメアリーにジェイクのことを売り込まんでもええってば。ジェイクは頑張って二人を遠ざけようとしてるのに。そんなことやったら二人は余計にジェイクに深入りしてジェイクの足手まといになりかねん。
・銃声を爆竹の破裂音と言いくるめられるロイ。貴様それでも対ギャングの（以下略）。
・ジェイクによるレオナール一家大虐殺大会。なぜ一人目が数日前に殺られて、犯人狩りだし中なのに、誰も警戒せずに次々に殺されるんだろう、この人達。血で血を洗う抗争でのし上がったんじゃないのか、お前ら。危機管理がなってません。
・銃で相手を狙っておきながら、相手との間合いを詰めて、相手の銃を奪ってから、相手に肉弾戦を挑むジェイクと情報屋兄妹。もしかしてガン＝カタ・マスターかこいつら？
・最後、ブルートパーズにジェイクが乗り込んだ時、レオナールの部下がだれも銃を抜かなかったのはギャングとして危機管理が（以下略）。つーか、警察とズブズブだったら「大変だ〜！」と部下が飛び込んで来る前に、何者かが一家に殲滅線挑んできている輩がいるって情報は入るだろう。いや、それ以前に各メンバー、個別
の情報源持っててそっから話は入らないか？携帯は無くても普通の電話はある時代だろう。
・そして銃も抜かず「兄貴、嘘だと言ってくれよ！」と叫んで撃たれるアルが不憫。（ガキのくせにボスに気に入られてるってことは相当な前科はあるんだろうが。）もしかして、鬱陶しい警官（ロイ）殺しに立候補したんでジェイクの逆鱗に触れたか？
・しかし、なぜ即死しにくい腹部狙いで撃つんだ、ジェイク。（あの傷の押さえ方だと心臓じゃなさそうだよな。）あの腕前であの距離ならば頭部狙った方が確実じゃないのか。
・あ、貴城君、死ぬ前に右手の銃を自分の左側に置いてから、わざわざ手を自分の身体の右側に持ってきている…。
・で、最後はロイがジェイクを、ジェイクがレオナールを、レオナールがジェイクを狙って銃声二発なんですが、結局、誰が誰を撃ったんですか？私にはジェイクとレオナールの相打ちに見えたんですが。
あ、ジェイクがレオナール、ジェイクをロイが撃ったんですか。（桐生麻耶談）あ、確かに撃った演技したのはジェイクとロイですね。
しかし、ロイがそんなキャラには見えなかったんだが。頼むから、脚本と演出で、ロイがジェイクを殺すに至る心境をきっちり描いてくれ。
・つかロイ、刑事のくせに殺すために撃ちますか。手足じゃないんですか。（だからそこら辺、ロイの心境を（以下略））
芝居終了後のツッコミ編
・ミゲール（かルチアーノ）がジェイクを胡散臭く思っていた風の演技の必然性は？
・情報屋兄妹の片一方とメアリーはいらなかったのは気のせいか。
・情報屋兄妹が華僑である必然性が無いのは気のせいか。
・ロイが刑事である必然性が無いのは気のせいか？（あ、最後の一発撃たすために刑事なのか？）
・つかもっと言えば時代設定が禁酒法時代な必然性も（以下略）
番外：素朴な疑問
・ミゲールとルチアーノって一卵性双生児かよく似た兄弟ですか？（双子：80〜90年代の香港映画が役者の使い回しするときの常套手段。）
謝罪
・この時代、香港ルートより上海ルートなんじゃないかと思ったが、調べてみたら、香港ルートも有り。香港が思いっきり廃れたのはこれより1,2世代前だった。
…芝居をなんのために食い入るように見てたんだろう、私。